重なり合う光の彩の間にいる
Entwined within the Nuances of Light
——自然の秩序が織りなす無始無終の円環と対峙し、"身体と取り巻くものとの関係の表れ"として色彩を経験する——
重なり合う光の彩の間にいる
重なり合う光の彩の間にいる
『重なり合う光の彩の間にいる』は孔雀の羽根を色域ごとに分解し、同心円状に配置した彫刻的なインスタレーションです。
目の模様のある上尾筒という孔雀の羽から個々に分解された羽枝は、長さや色彩のグラデーションなど、自然に作り出された規則性を持ちます。元々持つ秩序の美しさを分解し、別の形にすることで新たな秩序を生み出し、色彩の同心円から独特なリズムが浮かびあがります。
また、孔雀の羽は、特別な発色構造を持っており、わたしたちの視点や、光の色や角度などの空間的な関係性によって、目に見える色彩が変化します。その特性をもとに、私は、「私たちの身体と、取り巻くものとの関係性が色として表れている」と捉えています。
円盤は光を反射しない無反射性塗料で塗装しており、光を反射することで発色する孔雀の羽枝との視覚的、物質的な対照を作り出しています。
この作品では、色彩を客観的な概念や情報などの”静的な物質の属性”としてではなく、”身体と環境の相互作用によって生じる経験のプロセス”であることを表します。
「色は関係である。私たちはその中にいる。」
制作:2023.10
Entwined within the Nuances of Light
Production: 2023.1
修士論文
修士論文
『関係の表れである色彩を経験する——孔雀の構造色を用いた芸術作品の制作——』
アブストラクト
https://drive.google.com/file/d/1CyE89f2FkHFngUrtcFtLg5TJKAWrXstL/view?usp=sharing